不動産の「利活用」とは?

by 山田達也 2021年4月11日 ≪Column vol. 6≫

 暖かい日が続いたと思ったら、肌寒い日が続き着るものに注意しないといけない今日この頃です。自粛をしてのお花見も終わり、各企業も新入社員が社会人として働き始めました。学生もそれぞれ新年度で、新たな学校で希望をもってこれからの学生生活を過ごす人が大勢います。この新型コロナウイルスの状況の中、本来なら大勢の仲間が集い、語り合える宴席の場があったのでしょうが、残念なことに今は大人数での宴会ができる状況ではなくなっています。

基準として4人までと提唱されていますので、工夫をしながら安全な会食は何とか行えればいいなあと思います。今かなりお店の方も感染に配慮して、体温測定から仕切りのボード、手指の消毒、換気、密を避けての席の配置などあらゆることに気を使っているところもあります。私たちができることは、会食のメンバーに応じて安全なお店を選ぶことと、マスクをしての会話だと思います。基本的な感染対策に徹して、新たな変異株のコロナウイルスに感染しないように気を付けて、ゆとりをもって過ごしていきましょう。

新たな住生活基本計画の概要が3月19日に閣議決定されました。現状と課題に挙げられているのは、「世帯の状況、気候変動問題、住宅ストック、多様な住まい方・新しい住まい方、新技術の活用・DXの進展等、災害と住まい」です。

少子高齢化社会や2050年カーボンニュートラル、既存住宅の流通、空き家の問題、ライフスタイルの多様化、テレワーク活用の二地域居住や郊外での居住、自然災害の激甚化等多岐にわたり目標が示されています。目標の中の一つに「空き家の状況に応じた適切な管理・除却・利活用の一体的推進」があります。

基本的な施策として

  • 空き家の適切な管理の促進とともに、周辺の居住関係に悪影響を及ぼす  空き家の除却
  • 立地・管理状況の良好な空き家の多様な利活用の推進

この二つです。詳細についての記述がありますが要は、管理、除却、利活用をどの様に誰が実施していくのか、かかる費用はどうする。市街地と郊外、地方での手法はどんな違いがあるのか、ここを考えて行かなければ進みません。

 所有者不明の空き家について、財産管理制度の活用等の取り組み、空き家・空き地バンクを活用して、古民家の改修等を進めてセカンドハウスやシェア型住宅、多様な二地域居住。市街地では地方創生やコンパクトシティ施策と一体の敷地整序や、ランドバンクを通じた空き家・空き地の活用・売却などによる総合的な整備と住生活基本計画の概要の中にこのように整理されて記載されています。とても分かりやすく問題点から解決の方法に至るまで示されています。

そこで問題の誰が? どうやって? お金は?となるわけです。

 地方、郊外では町おこしの一つとして都市部からの移住政策、ランドバンク的な考えでの空き地の整理統合など様々な取り組みを実施しています。非常にうまく取り組めているところもあります。一方で空き地・空き家バンクの登録はあるものの市街地では今一つ動きが鈍いと思っています。そもそも空き家・空き地は利活用が可能で市街地であれば、空き家バンクに登録しなくとも市場で動きます。

 利活用が難しい物件をどうするかということになる訳です。なかなか簡単には解決できない問題です。今コロナの影響で働き方が変わり郊外での居住が増えているとの事で、空き家バンクでの売買も俄かに活発になってきているようです。今までは動きの悪い郊外の空き家も、工夫を凝らしてこの需要に見合った物件にする事により、更に需要は増えるのではないでしょうか。地域ごとの限られた場所で、少しずつでも利活用が進んでいる事例を、他の地域でもその地域に合った形にして取り組んでいくことが、少しずつですがこの問題を前に進めてことにつながると思います。市街地においての空き地・空き家バンクも難しいですが、工夫をしながら官民共同してこつこつと取り組んでいかなければなりません。

 都市部、市街地の自治体と地方、郊外の自治体では規模も仕事の内容も大きく異なります。基本的なところはもちろん同じですが、特に市街地での自治体は住宅関係の部署も、業務は多岐にわたりその中での一つが空き家バンクであり、一方で地方の自治体では業務は絞れるものの職員の人数が限られているという問題があります。前回も触れましたが、やはり今後の空き家・空き地・所有者不明土地等の問題には、行政又はこの課題に取り組む特化された第3セクターが積極的に主動して、シンクタンクとしての機能も備えて各地域での行政や民間団体のフォローをしながら、必要に応じてランドバンクの活用も含んで解決していくような仕組みが大事かと考えています。

少しずつでも仕事の中で空き家問題に取り組んでいます。今月も一軒利活用が決まりました。これからも頑張ります。

電柱広告について

街を歩くと目に入る電柱広告はいつ頃から始まったのでしょうか?国立国会図書館のデータベースによると、1890年(明治23年)に東京電燈株式会社が警視庁より許可を受けたことからスタートしたそうです。ちなみに、明治から大正にかけた電柱広告利用の最大大手は「仁丹」だったそうです。

京都仁丹樂會HPより引用

当社でも横浜市内に数ヶ所、電柱広告を掲示させて頂いております。デザインや設置工事は横浜の広告代理店、旭広告社さんにご手配頂いております。当社が運営するコインパーキングまでの道順のご案内看板がほとんどですが、いくつかはこのような電柱広告を掲示して頂いております。時代はデジタル広告の世の中ですし、ターゲティング、インプレッション、フリークエンシー、など横文字の広告用語も色々とあるようですが「電柱広告」は雨にも負けず、風にも負けず、ザザンッ!と電柱と共に街に佇むその姿が好きです。

中区南仲通

最近、街を歩くとスマホの画面を見ながら歩く、いわゆる「ながらスマホ」の人をたくさん見かけます。私自身なるべく歩きスマホはしないように心がけていますが、ふとした時に気がついたらスマホの画面を見てしまう事もあります。せっかく外を歩いているのでなるべく上を向いて新しいビルや街の様子を見なくてはと思いつつ、ついつい手持ち無沙汰になりスマホを手に取ってしまうことがあるので、ハッとします。

1980年代の横浜駅西口と今とを比べると景色もだいぶ変わりました。西口駅前ロータリーも長い工事期間を終えてCIAL、JOINUS、ダイヤモンド地下街などがリニューアル、NEWomanもできてなんだかまったく別の駅になったような気分です。CIALの1Fにステラおばさんのクッキーの匂いが漂い、サンドイッチ屋さんでコーヒー牛乳を買っていたころの事が懐かしいです。よく行ったでビブレのHMV、ウォークマンでダビングしたマイケルジャクソンのカセットを聞いていた時代でした。

飲食店も変わりましたね。今は無き、南幸橋の帷子川沿いに並ぶ屋台のおでん屋の雰囲気が今は妙に懐かしく寒い冬に先輩に連れて行ってもらったことを思い出します。最近はコロナの影響で金曜の夜はコンビニで買ったおつまみや缶ビール・缶中チューハイを片手に川沿いの歩道で静かに宴会をしている若者もいますが、昔だったら居酒屋でもっと大いに、どんちゃん騒ぎができていたことを思うと、ちょっと彼らが可哀想な気もします。

横浜西口 南幸

それぞれの街角で、それぞれの世代にとってノスタルジーを感じる風景はあると思います。そしてその風景と共に世代を超えて人々が、おもいおもいの時間を過ごしてきたのだと考えると、人が街に出て過ごすことのできる時間がいかに大切かを再認識します。

1997年リリース DJ honda featuring Mos Def, “Travellin’ Man” の歌詞

“Memories don’t leave like people do. They always remember you. Whether things are good or bad, It’s just the memories.”

“思い出は人のようには去らない、あの頃のあなたを思いださせてくれる。それらが良い思い出であってもそうでなくてもみんな思い出だ。”

そんなフレーズが頭をよぎりました。

居酒屋で「あの頃はこうだったよな~、お前らの世代はまだまだ甘いな~」なんていう酔ったオジサンの絡み酒が面倒くさいと当時は思っていたけれど、今あの人達はどうしているんだろうか?SNSでは味わえない酒場の一期一会も懐かしく思うと同時に、今は私自身があの頃のオジサン世代に限りなく近づいているのだと思うとこれまた考え深いですねえ。

2021年4月5日 written by 山田 智也

横浜駅西口南幸 相鉄ムービル

「希望」を持って活動すること。

by 山田達也 2021年3月13日 ≪Column vol. 5≫

桜の開花が始まりお花見のシーズンになりました。今年も昨年に続き各自が注意して、宴会などせずに密を避けての行動が望まれるお花見です。みんなで工夫しながら、少しは春の雰囲気を味わいたいものです。

 緊急事態宣言も再度延長されました。発生率は低くなりましたが、まだまだ安心できる状況ではありません。たとえ緊急事態宣言が解除されたとしても、気を付けて行動しなければならないと思います。変異したコロナウイルスの事や様々な報道がなされています。この様な状態に私たちは立ち向かうことも必要ですが、気持ちの中では日常をなるべく今まで通りに過ごそうという、そんな切り替えもする必要があるかもしれません。スポーツや学校、仕事、制約は受けながらも動いています。

会食も時間的な制限、人数の配慮をしつつ、更には神奈川県の黒岩知事が提唱するように「マスク会食」など、感染防止策を取りながら行うことがあってもよいかと思います。「ステイホーム」で触れ合うことを減らせば安全なのは理解できますが、やはり人間、人との触れ合いが必要なのも解るような気がします。私も自制しつつ安全なお店で、少しはお酒を飲みたいと思ってます。ワクチンがみんなに行き渡れば、状況も変わるのでしょう。どれだけの効果があるかは実施されないと分かりませんが、期待してこれからも過ごして行きます。

 政府の「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」で相続土地の登記義務化と、相続した土地の土地所有権の国庫への帰属に関して方向性が示されました。相続の場合今までは登記の義務はなかったのですがこの法案が施行されると一定の期限内に登記をしなければならなくなります。相続人が複数で遺産分割協議が完了しない場合は、一時的な登記の処置はできますが、いずれにしましても最終的には完了させなければなりません。施行されるのは公布から2年以内でまだ先の話ですが、今後は早い段階で相続発生時に混乱が生じないように、今まで以上に遺産分割協議がスムーズに運ぶよう事前の準備が必要になります。

不動産が複数あり共有名義だったり建物が老朽化していたり、貸地、借地など様々なことを整理しておく必要があります。所有している不動産に関しては、早い時期に整理をして遺産分割がしやすいように、また相続税が軽減あるいは問題なく支払えるように対策を講じることが大事です。

 今回のもう一つの「土地放棄を認める方針」については、相続した土地を国庫に帰属させることができるという法案です。今までも相続の放棄は可能でしたが、実務的には相続財産管理人など、手続きを進めていく中で当然費用が発生し、相続財産が市場で速やかに処分できなければ先に進まなかったのが実情です。

これからは少子化がさらに進み、親が住んでいた土地を活用できなくなり今まで以上に空き家、空き地が増えてゆくでしょう。このような土地を国庫に帰属させることにより、適正な管理や各自治体での活用、また再度隣接地や地域で整理をして市場に出せる物件は出してゆく。このような取り組みを今後継続して行くことが、非常に大事だと思います。今後土地の国庫への帰属に関して具体的な手続きの内容や、申請の方法等、詳細について示されると思います。住宅地などの土地は問題なく申請が行われるでしょうが、郊外の規模の大きな土地で青地や水路、さらに道路や河川などが複雑に絡んでくる物件に関しては、手続きが非常に複雑になるかと想定されます。この申請についての所管は法務省です。境界の確定など青地があれば財務局が、水路、道路は市町村などと多岐にわたります。とても個人では複雑な処理がおそらく難しいだろうと感じます。

今後可能であれば、これらの手続きをスムーズに行うために、この問題等に特化した第三セクターが構築され、各省庁間、市町村に亘る各種の手続きを進めてくれれば相続人個人での申請も簡易にできるのではないでしょうか。

 今、遠隔地でのリモートワークやワーケーションなど、いろいろと話題になっています。所有者不明土地や空き地にならず、土地の有効利用が図れるように希望を持って、様々なことに仕事を通して活動してゆきたいと思います。